長崎県五島中央病院/2012-08-13

  • 坂上 秀和
  • 長崎大学 出身
  • 2009年 入局

 長崎県五島列島は福江島にある五島中央病院に勤務しています。昨年の6月に赴任し丸一年が経過し二年目の五島生活です。
 五島中央病院はベッド総数304床(うち整形外科は45床)の総合病院で五島列島の中核病院という位置づけです。整形外科は私を含め総勢3名で診療に当たっており昨年の手術件数は約360例でほとんどを外傷症例が占めています。
 上陸する前のイメージは「離島」でしたが実際に赴任し初めて訪れた時の印象は「大きくて立派な病院」でした。列島内により大きな病院は存在しないため2.5次救急と言っていいかもしれません。しかし島ならではの不都合な点もやはりあります。我々整形外科にとって最大の問題は麻酔科常勤医がいないことです。全身麻酔が必要な緊急手術には対応できない日が必ずあり、そういう場合日中はDr.ヘリや県の防災ヘリを、夜間は自衛隊ヘリを要請し搬送せざるを得ないこともでてきます。また形成外科や皮膚科、膠原病内科なども常勤医がおらず褥瘡や熱傷、陥入爪、リウマチ患者の外来投薬治療など他の病院では経験する機会の殆どない治療も整形外科が担っていたりします。
 当然すばらしい点も多々あります。五島中央病院では整形外科のみでなく外科、婦人科、泌尿器科、眼科など手術室で顔を合わせる科の先生方と外科系として連帯感が強く科の垣根なく晩ご飯と称して飲みに繰り出しているため普段の診療や当直時など非常に相談しやすく過ごしやすい職場環境が存在します。
話は変わりますが五島中央病院には「離島医療」の看板があるためか例年研修医、クリクラ・ポリクリ学生が全国から集まってきます。整形外科を選択した場合研修医はもちろんですが学生も手術に入り、多くのことを吸収してもらえるよう努力しています。
 仕事の話が長くなりましたが五島に住むメリットも多々あります。私はもとも海の幸が大好きで長崎に生まれて良かったと思っていましたし魚のまずかとこには住まれんと思ってきましたが天国でした。季節ごとに経験したことのない鮮度でおいしい食材が待っています。また海、山が非常に美しく外好きの僕にはやはり天国でした。
 テレビドラマの離島(孤島)のイメージとは異なりますが、離島に住まないと理解することができない島の不便さ、素晴らしさを仕事でも私生活でも十分に体感できてすばらしい経験ができていると思っています。もし長崎の整形外科に来られることがあれば一度は五島に赴任するのもいいかもしれません。