アメリカTKA手術見学報告/2011-09-27

  • 前田 純一郎
  • 長崎大学 出身
  • 2003年 入局

 この度TKAの勉強としまして、リウマチ班の宮本力先生、木寺健一先生と共に6/5~6/10までの間アメリカのRobert Wood Johnson University HospitalとLenox Hill Hospitalへ手術見学に行って参りましたのでご報告させていただきます。
 Robert Wood Johnson University HospitalはMIS-TKAなどで有名なTria先生のいる病院で、ニュージャージーにあります。もう一つのLenox Hill Hospitalはニューヨークのマンハッタンにある病院です。ここではTria先生同様、Insall先生の下で修行を積んだというCushner先生の手術を見学することができました。

 6月5日、ワシントン経由でニューアーク空港へ。12時間以上の長旅で疲労困憊の中、ようやく到着しました。当時の国際情勢から、かなり厳しい入国審査を覚悟していましたが、以外とスムーズに入国できました。夕食にアメリカンサイズなステーキを食べ、翌日に備えて早めに就寝しましたが、やはり皆時差ボケで夜中2時頃に目が覚めたようでした。
 
 翌日から手術見学です。東邦大学からも1人先生が参加されており、一緒に行って来ました。まずはRobert Wood Johnson University Hospital。エントランスなどは一流ホテルかと思ってしまうような綺麗な病院でした。手術室へ案内され、Tria先生と対面。かなり緊張していたのですが、聞いていた以上に気さくな先生で、海外の手術見学ではなかなか許可されない手洗いについても快く許可してくれました。早速3人とも手洗いをさせてもらいました。室内は日本で言うクリーンルームとは全然違う状況でした。いわゆるヘルメットなどは使用せず、バンダナ?のようなもののみ。術中も色んなスタッフが出入りしていました。結構ユルい感じなのかな~と思っていましたが、執刀前のタイムアウトになると音楽や雑談を全て止め、鋭い緊張感の中全スタッフで患者確認をしっかりしていました。特に左右の確認はかなり強調して確認しており、感心させられました。
 そして再び和やかな雰囲気に戻り、執刀。PS typeセメント固定の症例でしたが、とにかく早くてsystematicな手術でした。手術は基本的にTria先生と助手(18年の付き合いだそうです)の二人で行うようですが、筋鈎を引くタイミングや肢位の確保、洗浄・止血のタイミングなどあらゆる操作が無駄なく的確に行われていました。看護師さんの機械を出すタイミングも素早くかつ的確で、時には術野に手を伸ばしてピンを打つ係をしたりと、もの凄い手際の良さでした。通常であれば少しタイムロスになるはずのセメント作業も瞬時に終わっていました。結局、僕らへ解説しながらも1時間ほどで手術終了。あっという間でした。2例目もあっという間に終了。術後に僕たちの質問に色々答えてくれた後、Tria先生は12時すぎには自慢のポルシェで帰宅されました。
 
 別の日にも色々なTKAを見せていただきましたが、中でもBMIが49で体重150kgの患者さんのTKAという、日本ではなかなか見ることのできないような症例も経験することができました。さすがのTria先生も大変そうでしたが、それでも一時間ちょっとで問題なく終了していました。その日の夜はTria先生の家に招かれ、夕食までご馳走になりました。TKAのみならず、若手医師の教育の話など熱い話を夜遅くまでたくさん聞かせていただき、大変光栄でした。

 今回、もう一つ見学に行ったLenox Hill Hospitalはセントラルパークのすぐ近くにある病院で、さすがにセキュリティが厳しかったですがCushner先生をはじめ、スタッフ(日本人看護師さんも勤められていました)は皆さんとても親切でした。ここでは両側TKAやカスタムメイドのカットブロックなどを見ることができ、大変勉強になりました。

 6日間の滞在でしたが、手術見学の合間には3人でマンハッタンを観光することもできました。個人的にすごく楽しみにしていたNBAニューヨークニックスの本拠地、マディソンスクエアガーデンが工事中で中に入れなかったのは残念でしたが、タイムズスクエアやエンパイアステートビル、メトロポリタン美術館、自由の女神(遠くからではありましたが・・・)などを観ることができ、とても充実した日々でした。
 最後になりますが、転勤早々であったにもかかわらずこのような貴重な機会を与えていただき、諸先生方には心より感謝申し上げます。後輩の先生方や長崎大学整形外科に興味がある学生さんもぜひ当医局の一員となり、楽しく学べることの喜びを実感してみてください。