私が整形外科医になった理由/2011-07-12

  • 田中 奈津美
  • 佐賀医科大学 医学部 出身
  • 2002年 入局

 みなさん、こんにちは。H14入局の田中奈津美と申します。早いもので整形外科に入局して丸9年となります。
 最近は女性医師の割合がずいぶん増えてきましたが、まだ整形外科は女性の割合が少ない科のほうに入ると思います。そのせいか、よく周りの方に「なぜ整形外科医になったのか?」という質問を受けますので、今回はその理由と現在までの研修生活についてお話したいと思います。
 まず第1の理由としては、中学時代から始めたバスケットボールがきっかけです。やはりスポーツには怪我がつきものですから、自然と整形外科に親近感をもったのだと思います。当然、スポーツドクターに憧れての選択となりました。次に患者さんが大抵良くなる(亡くなることが少ない)ということです。整形外科は他科と違って悪性疾患よりも怪我や痛みをメインに治療することが多く、最終的には患者さんが良くなって帰っていく確率が高い科だと考えていました。もうひとつは、単純に手術がしてみたかったというのも大きな理由です。短絡的な考えでお恥ずかしいのですが、以上の理由でめでたく長崎大学整形外科医局にお世話になることとなったのです。
 しかしこんな単純な私でも、入局において心配な点がなかった訳ではありません。出身大学が他大学であり、しかも女性となると、研修先の選択などで不本意な扱いを受けるのではないかと多少訝っていました・・・。実際はというと、まったく問題はありませんでした。というか出身大学をいちいち細かく気にするような器の小さい先生は一人もおられませんでしたし、むしろ娘や妹に対するようにみなさん温かく指導してくださいました。
 一般整形外科についてある程度学んだ後、5年目からは佐世保市にある長崎労災病院にお世話になりました。整形外科の手術だけで、年間2000例以上を行う九州でも有数の病院です。ここで予てからの希望である手外科の勉強を2年間もさせていただきました。厳しくも充実した2年間をすごして、現在の勤務先である佐世保市立総合病院に至るわけです。
 当院は長崎県北地区の基幹病院として、整形外科に限らず、内科・外科やそのほか多数の専門科を有し、高度専門医療や多くの救急医療を行っている病院です。平成25年には救命救急センターの開設も予定されており、今後さらなる救急症例数の増加が予想される非常に勢いのある病院とも言えます。整形外科の特色としては、一般外傷はもちろんのこと、創外固定を使用した骨延長や変形矯正などを行っています。曲がっていた骨が真っ直ぐなったり、長さの足りない骨が長くなったりする様は大変気持ちがいいです。もちろん手外科手術についても細々とやらせて頂いており、労災病院で学んだことを糧に、毎日悩みながらも楽しく診療を行っています。
 実際、私が整形外科で9年すごして思うことは、スポーツ選手は要求が高く、彼らが満足する治療はとても難しいということだったり、意外に多発外傷などで生死に関わるような重症な患者さんの治療で四苦八苦したりと想像どおりのことばかりではありませんでした。しかし、医局のご厚意でほぼ希望通りの研修を行い、温かい先生がたや多数の手術症例に恵まれて、少しずつですがキャリアを積んでいくことができた私はとても幸せだなあと思います。幸せついでに昨年、結婚もできました。
 最後に、まだ将来について悩んでいる研修医や学生さん、すこしでも整形外科に興味があったらぜひ飛び込んでみてください。人体には200以上の骨、400以上の骨格筋があるそうです。きっとあなたが輝ける部位があるはずです。男、女どちらでも活躍できますし、腕力の有無も関係ありません。必要なのはやる気だけです。みなさんが仲間になってくれる日を楽しみにしています。