恵庭から船橋へ −関節外科修行の旅−/2016-12-19

  • 金丸 由美子
  • 長崎大学 医学部 出身
  • 2008年 入局

 平成18年長崎大学卒、20年に整形外科に入局し4ヵ所の関連病院での研修を経て、長崎大学病院膝スポーツ班に2年間所属。早いもので医師歴11年目となりました。縁あって、2016年4月から9月まで北海道の我汝会えにわ病院で、引き続き10月より千葉県の船橋整形外科病院で国内留学をさせて頂いており、近況報告をさせて頂きます。

 えにわ病院は部位別のグループ編制となっており、これまでに関節再建班から留学された3名の先生方とは異なり、今回私は膝グループのみを半年間研修させて頂きました。えにわ病院膝グループは、人工関節、骨切り、関節鏡など、膝から足まで幅広い分野の診療を行なっていました。症例数は圧倒的にTKAが多く、measured resection techniqueの洗練された手術を多い日は1日に4件繰り返し学びました。骨切りはopen-wedge HTO、ACLはhamstring腱を用いたsingle bundle再建をtranstibial techniqueで行われていました。膝グループのフェローが私一人だったこともあり、毎朝行われるグループ回診後は一日中ほぼすべての手術に参加することができ、非常に慌ただしくも充実した毎日を送ることが出来ました。いずれの手術も『感染をさせない』事を重視しシステマチックにスピーディーに行われており、少人数で日本有数の手術数をこなしながらも、気付けばほぼ定時に手術は終了していました。オンとオフがはっきりとしていて職員皆が生き生きと働いている姿が非常に印象的でした。私も週末には積極的に遠出をして春夏の北海道観光を満喫し、すばらしい大自然に癒されて心も体もリフレッシュすることが出来ました。

 心機一転、国内留学延長の許可を頂き、船橋整形外科へ国内留学を直接志願し、10月から研修を開始しました。現在スポーツ医学センターに所属し、前半は下肢、後半は上肢を研修予定で、空いた時間には人工関節センターにもお邪魔して勉強させて頂いています。こちらの骨切りはopen-wedge HTO、ACLはhamstring腱を用いたdouble bundle再建をtranstibial techniqueで行われています。また、半月板を積極的に縫合しているのが特徴的で、断裂の部位や形態ごとに手技を使い分けて縫合されており、とても勉強になっています。TKAはmeasured resection techniqueとgap techniqueの両者の短所を補ったpre-cut techniqueを考案者の金山先生から直接学ぶことができ、半年間で症例を積み、是非長崎に持ち帰りたいと思います。

 えにわ病院、船橋整形外科に共通して感じていることは、長崎の術式と全く異なる手技やコンセプトを学ぶことで知識の幅が広がる一方で、長崎の手術の良さを再認識する場面も多くあるという事です。外の世界と今までの自分の中での常識を比較し、見直すことができるいい機会を与えて頂いたことに心から感謝します。また、この国内留学中、全国から集まり刺激し合った沢山の優秀な先生方との出会いは一生の宝物だと思います。4月には長崎に戻り、外の世界で学んだ良いものを地元長崎の医療に還元できるよう、引き続き頑張ります。