腫瘍

准教授  

富 田  雅 人

講  師  

宮 田  倫 明

   

 

   

 

   

 

   

 

   

 

   

 

   

 

   

 

 

 

 骨及び軟部組織にできる腫瘍の診療を行っています。
骨に生じる悪性の腫瘍は, 高齢者に多い転移性骨腫瘍, 若年者に多い骨肉腫を代表とする原発性腫瘍があります。軟部組織悪性腫瘍には, 脂肪肉腫, 平滑筋肉腫, いわゆる悪性線維性組織球腫 (MFH) などがあります。

 これらの腫瘍は発生頻度が非常に低いために, 西九州で骨・軟部の悪性腫瘍を取り扱う病院はほぼ長崎大学病院に限定されているのが現状です。

 関連病院等から御紹介いただいた外来新患数は, 平成18年136名, 平成19年186名, 平成20年176名、平成21169名,平成22172名でした。また, 骨軟部腫瘍の手術件数は下表の通り手術内容は非常にバラエティーに富んでいます。その為,私どもは, 来られた腫瘍の患者さんのニーズに応えるべく, 診療のレベルを上げるために努力, 研鑽しています。また腫瘍患者を見逃さなく早期治療が可能になるのが目標で長崎大学病院や関連の病院の診療のレベルを上げるための教育プログラムを画策しているところです。

 悪性腫瘍であっても化学療法を併用し腫瘍の縮小を計り, 可能な限り切断術をさけるべく, 形成外科や放射線科と協力してよりよい患肢機能が温存出来る治療法を目指しております。

さらに多様な悩みや苦しみをもった腫瘍の患者さんを全人的にサポートできるような医療を目指して診療を行っています。

 骨軟部腫瘍は, 患者さんが少ない一方, その命を救う非常に大切な治療であります。また腫瘍の切除は, 整形外科としては独特の手技であり, 切除後の再建は, 骨接合・人工関節・骨延長・骨移植・処理骨の使用等,整形外科のあらゆる ノウハウ(know-how) を駆使して行う事が出来る, 非常にやりがいのある領域であると思います。

 医学生の皆さんや, 研修医・修練医の皆さんにこの分野に興味を持って頂き,共に勉強していけることを希望しています。  

 

図1. 骨肉腫の病理組織像

好酸性の腫瘍性類骨が形成され, その周囲に非常に異型性, 多型性に富んだ腫瘍細胞が増生しています。

 

図2. 大腿骨遠位傍骨性骨肉腫症例単純X線像

大腿骨遠位後方に隆起性の骨病変を認めます. 傍骨性骨肉腫の典型例です.

図3. 腫瘍用人工膝関節置換術後単純X線像

 大腿骨遠位の骨腫瘍切除によって生じた巨大な骨欠損を補い、患肢を温存します。 術後杖を使用しなくても歩行可能です。


表. 長崎大学整形外科腫瘍班手術件数(平成23年9月現在)

※症例数は重複でカウントしています

術式/年次 H18 H19 H20 H21 H22

≪生検≫

 骨 14 21 10 8 10
 軟部 20 15 9 17 19

≪軟部腫瘍切除術≫

 良性 18 16 30 19 23
 悪性 16 16 12 28 40

≪骨腫瘍切除術≫

 良性 5 12 9 7 7
 悪性 4 4 4 3 6

≪人工関節置換術≫

 TKA 2 1 3 0 0
 人工骨頭(肩) 0 1 0 0 0
 人工骨頭(股) 0 0 1 1 1
 revision 1 1 2 0 0

≪切断, 離断≫

 肩甲帯離断 0 2 0 1 0
 上腕切断 0 2 1 0 0
 前腕切断 1 0 0 0 0
 股関節離断 0 0 1 1 0
 大腿切断 2 1 0 2 1
 下腿切断 0 1 1 0 0
 足部切断 0 0 1 0 0
 rotation plasty 1 2 1 0 1
 病的骨折手術 1 6 4 1 2
 抜釘・その他 5 1 0 4 4
合 計 90 102 89 92 144