教授あいさつ

長崎大学医学部

整形外科学教室

教 授 尾崎 誠
(プロフィール

 整形外科は運動器の疾患を扱う診療科であり、脊椎と脊髄を扱う「脊椎外科」、上肢を扱う「手外科」、「肩関節外科」、下肢を扱う「股関節外科」、「膝関節外科」、「足の外科」、スポーツを扱う「スポーツ医学」、けがや障害を扱う「外傷外科」、リウマチや膠原病を扱う「リウマチ外科」、腫瘍を扱う「骨・軟部腫瘍外科」、小児を扱う「小児整形外科」など多数の専門分野があります。また、新生児から高齢者まで幅広い年齢層を対象としており、その内容は多様で治療の対象となる患者さんが極めて多いという特徴があります。
戦後、日本人は世界一の長寿を手に入れ、最近の日本人の平均寿命(WHO)は女性が約87才、男性が約80才まで伸びています。健康上の問題がなく日常生活を送れる期間が健康寿命ですが、日本人がこの世界一の長寿の恩恵を甘受するためには、平均寿命だけでなく健康寿命を延ばすことが重要です。日本人の平均寿命と健康寿命の間には、女性で約13年間、男性では約9年間の差がありますが、健康寿命が終わり介護や介助が必要となる原因をみると、骨折・転倒、関節症など整形外科疾患が2~3割を占めており、われわれ整形外科医の役割は、高齢化の進行とともにますます重要となっています。
長崎大学整形外科教室は1954年8月に開講しましたが、これまでに400名を超える優秀な整形外科医を養成し、国内外の最先端の研究施設や臨床施設との連携や留学も積極的に推進してきました。現在、長崎大学整形外科教室の同門の先生方は全国で活躍しています。
診療に関して長崎大学整形外科教室では、高度な外科的治療を中心に、疾患、障害の高いレベルでの機能回復を目指しています。各分野の診療技術の向上に伴い、長崎大学病院での年間手術件数は整形外科約1,186件、外傷ユニット654件(平成28年度)と年々増加しており、関連病院における総手術件数も年間1万例を越えています。研究に関しても各分野の臨床研究、バイオフィルム研究、骨粗鬆症や変形性関節症の疫学研究、3次元有限要素法による生体力学的研究など様々な分野の研究が進行中です。さらに平成27年7月には日本で初めて、生体で使用できるCTとしては世界最高の解像度を有するHR-pQCT(High Resolution peripheral Quantitative CT : XtremeCT II)を導入し、骨微細構造の画像解析、骨粗鬆症、リウマチ、骨折、スポーツ外傷、腫瘍といった骨関節疾患の病態の解明、診断、治療法の開発などを行っています。
長崎はこれまで整形外科学を含め日本の医学の入り口であり、長崎から新しい医療を全国に発信してきました。長崎大学整形外科教室はこれまでの良き伝統を守りつつ、教室員一同力を合わせ、これからも長崎から国内外に最先端の研究、教育、医療を発信していきたいと考えています。

平成29年4月吉日